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Nマガジン

空き家を売却する時に使える法律を考える

2019.04.27

2019年4月27日付の日本経済新聞記事によると、空き家率が13.46%となり過去最高記録を更新したそうです。

日本の人口が減っているのに新築の戸建住宅や新築マンションがどんどん供給されているので、当然の結果と言えるかもしれません。

空き家のまま放置されますと景観が悪くなりますし、犯罪の温床に使用される恐れも高まります。そして隣に住んでる方の不動産の価値も下がってしまいます。もちろん所有者は空き家を使用していなくても固定資産税を支払ったり草木等の管理をする義務も負っています。

国もこの現象を懸念し、法的な対策も打ち出しています。

以前Nマガジン「空き家処分の3000万円控除について」で相続後空き家になる不動産を処分した場合の税制優遇措置をご紹介しました。

この制度の詳細については上記記事をご参照いただきたいと思いますが、大まかな内容は「相続が起きてから3年を経過する年の12月31日までに空き家を売却すると譲渡所得から3000万円を控除できる」というものです。(売却金額が1億円以上になると適用外です)

しかしこの制度は被相続人が亡くなる前に老人ホームなどに転居していると適用外になる可能性が高まります。

私はこのことに理不尽を感じ、ある税務署に「本当に適用外になるですか?」と問い合わせたことがあります。答えは「そうです。」とのこと。

そこで私はさらに質問しました。「そうしますとこの制度を使えないケースが沢山でてきますよね?」と。答えは「そうですね。決まりは決まりなので仕方がありません」でした。

私は思いました。何でこんな縛りを作ったのだろうかと。

そこで国もこの制度の使いづらさに気付き、2019年4月よりもっと使いやすいい制度にしてくれました。

以前の制度は、被相続人が亡くなる直前まで一人暮らしをしていたことが条件となりこれを証明する必要がありました。

新制度では、

①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定などを受け、かつ相続開始の直前まで老人ホームなどに入所していた。

②被相続人が老人ホームなどに入所した時から相続開始の直前まで、その家屋が被相続人によって一定の使用がなされ、かつ事業や貸し付け、被相続人以外の者の居住の用に供されたことがない。

という条件が満たされれば使えるようになりました。

※詳しくはこちらをご覧ください。→ 「国税庁 被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例」

このことにより大分使いやすい制度になったと思います。

この制度の他に、かかった相続税を不動産の取得費にできる「取得費加算の特例」があります。

上記の「3000万円控除の特例」と「取得費加算の特例」は併用できないために、どちらの方が得かを慎重に検討する必要があるでしょう。

また記述したルール以外にも色々と細かい規定があります。

専門家に相談をして熟慮の上、方法を選択する必要があります。

エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社は、その熟慮のお手伝いしてまいります。

 

 

 

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