遺産の分け方~代償金の活用~
2020.07.12
配偶者控除
唐突ですが、夫婦は通常2人です。
ということは、子供にとって親の相続を2回経験することになります。最初の相続を1次相続、次の相続を2次相続と呼びます。
1次相続の時には相続人に配偶者がいますので、「配偶者控除」とうい恩恵を受けることができます。「配偶者控除」は、配偶者の法定相続分か1億6,000万円までの遺産は相続税が非課税となります。この控除は、配偶者の生活を守るという目的で非常に大きな控除額となっているのです。この配偶者控除をフルで使うと、1次相続では相続税額をグッと抑えることができます。
次に2次相続を見てみましょう。2次相続はもう配偶者がいない状態ですので、「配偶者控除」を使うことはできません。1次相続の時に「配偶者控除」をフルで使って相続税額を抑えたとしても、2次相続の時に多額の相続税課税がのしかかってくる可能性があります。ですので、1次相続の時にある程度の遺産を子供に相続させて2次相続の税負担を抑える必要があるかもしれません。
代償金の活用
1次相続で子供にも遺産を相続させる場合、単純に分割協議をして預貯金等を分割をすることもできますが、代償金という手法を利用すると大変スムーズに遺産分割を行うことができます。この方法ですと、親が単独で預貯金を解約して子供たちに分けてあげることができますので手続きが楽になるのです。
代償金という手法を利用する場合、遺産分割協議書に代償金を使用して遺産分割をする旨を記載する必要があります。この旨を記載せずに親が子供に遺産を分け与えると贈与とみなされる可能性が高まりますので注意が必要です。
また支払う代償金が多すぎると、多すぎるとみなされた金額に対して贈与税が課される可能性もあります。法定相続分の金額を考えて分けていった方がいいでしょう。