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法定相続人がいない場合の相続はどうするの?

2020.08.22

「お一人様」という言葉が使われるようになって久しくなりました。

「お一人様」とは、一人で外食をする際に使ったり結婚せずに独身を貫いている人のことを指す言葉ですが、高齢になり配偶者と死に別れて一人住まいをしているような方を呼ぶ言葉でもあります。後者の「お一人様」は体調が悪くなり動けなくなったとしても気付いてくれる人が近くにいないために、人知れずにあの世へ旅立つことも珍しくありません。そしてご遺体がしばらく放置されたままにまってしまう孤独死という問題もクローズアップされています。そこで、同居していない親族が「お一人様」をどうやって見守っていくのか、高齢者施設に移ってもらうのか、費用をどうするのかなどの対策が必要な時代となっています。

しかし同居はしていないけど親族がいる方は、いずれかの対策を行っていくことが可能でしょうが、身寄りがなく世話している人もいなかったらどうしたらいいのでしょうか?

 

孤独死を防ぐためにできること


お世話をしてくれる親族がいない方が、孤独死を防ぐための手段は増えています。

どんな方法があるのかを見てみましょう。

・自治体が行っている見守りサービスを利用する

 それぞれの自治体で行っていることが違いますので居住している自治体サービスを確認してみましょう

・企業の見守りサービスを利用する

 警備会社や電力会社ガス会社等で行っている見守りサービスがあります

・訪問サービスを利用する

 ホームヘルパーや宅配弁当を活用することにより安否も確認してもらうことができます

・SNSを活用する

・見守り家電を活用する

・見守りアプリを活用する

・定期的に通う機会を作っておく

 デイサービス等の通所サービスやカルチャースクールの活用

・高齢者向け施設に入所する

 老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等

 

このように孤独死を防ぐ手段は多岐にわたっています。それぞれの費用等も考慮して手段を選択していきましょう。

 

では今まで見てきたような方々が孤独死を防ぐことができたとしましょう。その後に大往生されますと相続が発生します。法定相続人がいる場合には相続をする人はハッキリしていますが、法定相続人がいない場合にはどのように相続をすればいいのでしょうか?(法定相続人がいる場合も分割方法を決めておく等争族にならない対策をしておく必要があります)

なお法定相続人について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。→ 「相続する順番~法定相続人の順位~」

 

法定相続人がいない場合の相続対策


法定相続人がいない場合に、最初の選択肢になるのが遺言作成です。

遺言は誰にどの財産を相続させるのかを指示できる文書ですので法定相続人以外の人にも遺産を相続させることが可能になります。お世話になった人や親切にしてくれた遠い親戚などに相続させることができます。その際に遺言執行人といって遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人を遺言で指名することができます。遺言執行人に、信頼できる人間を準備しておくこともスムーズな相続にするためには有効です。

余談ですが、以前に拝見しました相談者の遺言内容で、遺言執行人に弁護士が指名されており財産は全てその弁護士に相続させる旨が記載されていたものがありました。私の頭の中には?マークだけが浮かんできました。相談者から相談された弁護士が、全ての遺産をもらう内容です。つまり相続の相談をされた弁護士が遺言作成をアドバイスをして、自分に遺産が相続されるように誘導して遺言内容を決め、弁護士自身が遺言内容を執行するということになります。全ての行為がこの弁護士だけのために作成された内容だったのです。疑問だらけの遺言内容でした。遺言内容はしっかりと自分の意思を反映できるようにしていきましょう。

話しは元に戻りますが、遺言作成についてです。遺言作成は「公正証書遺言」にすることをお勧めします。自分自身で書く「自筆証書遺言」も可能ですが、遺言内容がチェックされないために法律的に無効な遺言になってしまう可能性があります。「公正証書遺言」であれば公証人が内容をチェックすることになり無効になることがありません。

ただし遺産に相続税が課税されるのかどうか、課税される場合には納税資金があるのかどうかや、借入金の存在等を検証しておく必要があります。

 

遺言作成の次には暦年贈与による生前贈与も選択肢となるでしょう。相続する方法と贈与する方法でどちらが税効果が大きいか等を検証して考えていく必要があります。

では法定相続人もいなくて何の対策もしないまま相続が起きたらどうらるのでしょうか?

 

法定相続人がいなくて何の対策もせずに相続が起きたらどうなるの?


この場合は、「相続財産法人」をつくり「相続財産管理人」が法人を管理して財産の清算を進めていくことになります。

「相続財産管理人」は被相続人に債権を持っている人や、家庭裁判所の審判によって選任された人がなります。

そして「相続財産管理人」は、法定相続人が本当にいないのかどうかの捜査を行います。次に債権者がいれば通知を行い、必要に応じて支払いを実行します。

最終的に残った財産は国庫に帰属することになります。せっかく自分で築いた財産です。死んだ後にどうしたいのかを今一度考えてみた方がいいかもしれません。

 

エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社は、法定相続人がいない方のご相談にも応じております。

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