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空家を減らしてみよう~みんなが笑顔の空家再生~

2022.03.18

 

上の写真は淡路島の世界平和大観音像です。現在は解体中らしいですが、いつまでも平和を見守ってほしいとの願いで元気な観音様の写真を掲載してみました。

さて今回は弊社が手掛け始めました空家再生のお話しです。

最初に空家の状況についてです。

 

空家の状況

2018年時点の全国空家戸数は約848万戸、空家率は13.6%。一番空家戸数の多い自治体は東京の世田谷区で約4万9千戸。全国で一番空家率が高い自治体は夕張市で約40%となっています。(2018年住宅・土地建物統計調査)

 

数字を見て受け流すことは容易ですが、よくよく数字を見てみますと物凄い数字です。全国では10戸に1戸以上は空家で、一つの自治体に5万戸近い空家があり、一つの自治体の半分近くが空家となっているのですから。

この数字は今後も増え続けることが見込まれます。なぜならば、日本の人口は減っているのに対して、住宅は供給され続けているので単純に考えても住宅は余っていくことになります。

空家は使用していなくても固定資産税等の維持コストが掛かります。私が相談に乗ったことのある事例では、誰も住んでいないお屋敷に毎年約300万円の固定資産税を支払っているケースもありました。この事例では、相続の際に遺産分割協議がまとまらずに相続人全員の共有状態になっていましたので、相続人達が分担して固定資産税を支払っていました。なお空家になる要因として相続が52%を占め第一位だそうです。

 

空家発生の要因

〇時代背景

空家発生要因の一つとして時代背景を考えてみましょう。

先ず、太平洋戦争を境にして家督相続制度から現在の民法による相続制度へ変わりました。(新民法は昭和23年1月1日施行)

家督相続制度では長男が全ての遺産をを相続することが原則になっていましたので、必然と家も長男が受け継いでいくことになっていました。

しかし現在の相続制度は、法定相続分を相続人全員が相続できる制度になっています。つまり家を誰が相続するのか決まっていない状態になる訳です。もちろん配偶者がいる相続は配偶者が家を相続することが多いでしょうが、配偶者がいない2次相続の場合は兄弟姉妹の誰が家を継ぐのか決められないことも想像できます。

相続制度の変更に加えて家族構成の変化も空家発生の要因になっていると考えられます。戦前は大家族構成で父母・祖父母・兄弟姉妹全員が一つの家に住んでいる家庭が沢山ありました。それが戦後の高度経済成長と共に大家族の子供が結婚しマイホームを持ち、大家族から独立していくようになりました。核家族化です。自分で家を持ち始めた子供たちが、親が死んだからと言って親の家に戻ることが無くなっていきました。空家の発生です。これが空家増加の時代背景です。

 

〇制度上の要因

日本は資本主義経済ですので、自由にモノを創り売ることができます。商売を発展継続させていくためにはモノを売り続けなくてはいけませんので、どんどん売るモノを創ります。創っても売れなければモノが余ります。

マンションデベロッパーやハウスメーカーも同じです。行政の規制緩和などの波に乗って、どんどん土地を仕入れて開発して建物を建築し売っていきます。自由競争社会ですので、売り続けないと勝ち残っていけません。ですので、人口が減り続けても建築し続けるのです。人口減少時代の中では供給過多になるのは必然です。

 

空家の問題点

では、なぜ空家が問題になるのかを考えてみましょう。

空家が長く放置されますと建物を朽ちていき、雑草も含めた草木が生い茂っていきます。皆様も道を歩いていて、このような空家を見かけたことがあるのではないでしょうか。このような状況が続くと以下のような現象が生じる可能性が高まります。

・害虫の発生

・野良猫やネズミ等の住処になる

・ゴミの不法投棄場所となる

・周囲も含めた景観の悪化

・地震・台風・風雪等での建物倒壊リスクが高まる

・犯罪等の拠点として使われる

これらの事象が生じるために空家の場所だけではなく周囲の不動産価値も下げていき事になります。何一ついいことが無いのにも関わらず、固定資産税は支払い続けなければなりません。

 

空家を再生してみて思ったこと

空家の状態で何年も経過すると、どんどんと朽ちていきます。そうしますと、どんどんと売却が困難になっていきます。朽ち果てた空家にそのまま住むこともできませんし、空家を解体するにもそれなりのお金が必要となるからです。

弊社は、このような空家になって何年も経過し売却もできなくなった物件を購入再生する事業を開始しました。(「古家再生事業を始めました」参照)

先ず購入を決めた時に、朽ち果てた空家売却の仲介をしていた不動産屋さんがとても喜んでくれたことを覚えています。

次に不動産売買の契約日に売主さんと初めて会いましたが、安く購入したにも関わらず売主さんもとても喜んでくれていました。

さらに空家のご近所の方たちにも大歓迎されました。

私は空家を再生するということが沢山の人に感謝されることなのだと実感しました。そして誰にもマイナスになる点がありません。さらにSDGsの目標に掲げられている「住み続けられるまちづくりを」にも貢献できています。なんて素晴らしい事業なんだろうと喜びを感じました。

    

これは再生後の家の中です。かなり綺麗に再生することができます。

今はこの再生した家に住んでくれている人もいます。

再生された家に住む人は、相場よりもかなり安い家賃で庭付き戸建住宅に住むことができるメリットがあります。

 

空家再生の効果

最後に空家再生の効果をまとめてみます。

・建物倒壊リスクを下げる

・周囲の環境・景観が良くなる

・ムダな土地が無くなる

・ムダに固定資産税を支払う人がいなくなる

・犯罪拠点使用できなくなる

・戸建に住みたい人が相場より安い家賃で住むことができる

 

空家を再生して空家軒数を減少させる効果は非常に高く、マイナス点がありません。

エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社は空家再生を精力的に推進してまいります。

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