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遺言で遺言執行者が指名されているかどうか

2022.05.28

 

遺産を相続する時にあった方がいいモノとして遺言があります。(遺言についてはこちらをご参照ください→「遺産相続と遺言」)

遺言が必要となる大きな理由として、相続人達の遺産分割協議が不要となることが挙げられます。(詳しくはこちらをご覧ください→「遺言書を書かなければならない理由」)

ただし遺言の内容によっては、遺言があっても遺産分割協議をしなければならなくなることもあります。例えば、遺言の中での分割指示内容が「遺産を妻に3分の1、長男に3分の1、長女に3分の1ずつ相続させる」だったとします。この遺言内容ですと相続する割合だけが記載されているだけで誰がどの財産を相続するか決められていませんので、だれがどの財産を相続するかを遺産分割協議で決めなければなりません。遺産分割協議をしなくて大丈夫にするためには、どの財産を誰が相続するのかを遺言で明記するようにしましょう。

遺言のある相続では、誰かが遺言内容通りに相続手続きを進めていく必要があります。進めていく人を遺言執行人と言い、予め遺言で指名しておくことができます。ちなみに銀行等が扱っている遺言信託という商品も遺言の中に遺言執行人が明記されていることが多いですが、執行人は当該銀行となっています。この場合、結構な金額の執行料が掛かることになっていますので契約する際には確認した方がいいでしょう。

 

遺言執行人の資格


では、遺言執行人になれる人は誰でしょうか?

先ず遺言執行人になれない人を見てみましょう。

なれない人は「未成年者」と「破産者」です。(民法第1009条「遺言執行者の欠格事由」)

つまり上記以外の人なら誰でも遺言執行人になることができるのです。

また一人でも選任できますし複数人の遺言執行人を選任することも可能です。

 

遺言執行人を選任する意味はあるの?


相続の手続きには取得しなければならない公的書類や署名捺印しなければならない書類が沢山あります。

必要な公的書類や署名捺印は基本的に相続人全員のものが必要になります。

相続人の中には非協力的な人がいたり、どこにいるかも分からなかったりして手続き作業が困難に直面することも少なからずあります。

隠し子のように誰も知らなかった事実が発覚しトラブルに発展する可能性もあります。

そして誰が相続手続きをするのかもハッキリしていません。

遺言で遺言執行人を選任しておけば、遺言執行人が単独で公的書類収集や書類作成を行い相続人全員に署名捺印を求めていくことができます。相続人間のトラブルリスクを大幅に減らし、スムーズな手続きを進める可能性を大きく高めます。

また、遺言執行人が絶対に必要なケースもあります。

それは、「相続排除」と「認知」です。

「相続排除」とは被相続人に対して虐待・侮辱・著しい非行などを行った相続人の相続権利を排除することです。遺言で相続排除を行う場合は、「相続排除」の手続きを遺言執行者が家庭裁判所で行う必要があります。

また、「認知」された子は相続権を得ますが、遺言によって「認知」する場合は遺言執行者が認知届などの手続きを行う必要があります。

 

まとめ


通常、遺言があれば相続人達が遺産分割協議をする必要が無くなりますが、遺言内容によっては遺産分割協議が必要になってしまうことがお分かりになったと思います。また、遺言の内容通りに遺産分割がしっかりと行われるために遺言執行人の存在が重要であることがお分かりになったのではないでしょうか。

相続において遺言作成が重要であることは当然です。その遺言が被相続人の意思通りに実行されるように内容を精査して保管する必要があります。エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社はそのお手伝いをさせていただきます。

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