やはり歯止めがかかるタワーマンション節税
2023.08.14
時価と相続税評価額に乖離差が激しいタワーマンションは相続税の節税対策の手段として長く使われてきました。
なぜ時価と相続税評価額の乖離が発生するのかは、相続税評価額を「財産評価基本通達」という国の指標を基に計算することによります。
「財産評価基本通達」は昭和の戦後間もない時期に作成されたものです。その当時はタワーマンションみたいな建築物ができることなんて夢にも思わなかったことでしょう。
人間は色々なものを発展させ進化させてきました。進化のスピードはどんどん加速しています。そして「財産評価基本通達」の枠組みで全てを解決することは困難になってきました。
こうした変化等に対応するために上記通達の中に設けられている項目があります。それは「財産評価基本通達第1章総則6項」、通称で総則6項と呼ばれる項目です。この総則6項とは、財産評価基本通達通りに評価することが著しく不適当と認められる場合に国税庁間の指示で評価するというものです。
最初にタワーマンション節税は、この総則6項が発動されて節税策が否認されました。世間では国税庁が伝家の宝刀(総則6項)を抜くと騒がれました。何十年も前に決められた通達で最新のタワーマンションを評価することに無理が生じ、総則6項を適用して評価し直すことは致し方無いことだと私は思います。仕事仲間の会計士さんも、いつかタワーマンション節税はやられると言い続けていました。
こうした流れの中で、今回の相続税評価額の評価方法見直しに繋がったわけです。
この改正でタワーマンションの高層階ほど相続税が高くなるようになっています。タワーマンションの高層階は低層階に比べて時価がかなり高くなります。高い価値を有しているタワーマンション高層階の相続財産価値が高くなるのは当然の事とも言えます。
また築年数が浅いほど相続税が高くなる傾向もみられるようです。
今回の改正でタワーマンションのような昔には無かった形状のマンションの評価ルールが明確化されました。ルールがあいまいな中で申告後に是認されるのか否認されるのかが不明な状態で相続対策をするよりはk相続対策を考えやすくなったといえるのではないでしょうか。