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孫への贈与と生命保険

2024.02.05

 

令和5年に相続税・贈与税の一部が改正されており、令和6年1月1日より施行されています。

今回の改正内容を見てみましょう。

贈与には主に①暦年贈与と②相続時精算課税制度があります。

①暦年贈与とは、年間110万円まで非課税枠がある贈与制度です。この非課税枠110万円は毎年1月1日~12月31日の間に使える金額で、毎年何回でも使うことができます。この制度のことを聞いたことがある人は多いでしょう。そしてこの制度を使って相続人に贈与した場合、相続が起きた時から一定期間に贈与した財産について贈与は無かったことになり相続財産として計算されます。この一定期間が以前は3年以内でしたが、改正後は7年以内となりました。このことを持ち戻しといいますが、持ち戻されるのは相続人や遺贈を受けた人なので、通常まごは持ち戻しが適用されません。

②相続時精算課税制度とは、この制度を使って贈与した財産2,500万円までは贈与税をかけずに相続時に相続財産として相続税を計算する制度です。2,500万円を超えた際には、超えた金額に税率20%の贈与税を支払います。以前は相続時精算課税制度に年間110万円の非課税枠はありませんでしたが、税制改正後は年間110万円の非課税枠が新設されました。そして相続時精算課税制度の110万円の課税枠には7年等の持ち戻し期間はありません。この制度を使う場合は届け出が必要です。

今回の税制改正は基本的に増税ですが、部分的には緩和されています。早い段階で高齢者から若い世代に、財産を移しやすくなったと言えるでしょう。

ただし、それぞれの制度にも注意点はあります。

例えば、①暦年課税制度では、通常孫への贈与は持ち戻しがありませんが、被相続人が契約者・被保険者の生命保険金を受け取ったら遺贈されたことになり持ち戻し対象になる可能性があります。②相続時精算課税制度は、一度選択した後は2度と暦年課税制度を使うことができません。

制度のメリット・デメリットを考慮し自分に最適な相続対策なのかを見極めていく必要があります。そのためには専門家とタイアップして相続対策を練っていくことが最善でしょう。

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