成年後見制度における不動産売却
2025.03.04

相続対策として、不動産を売却して現金化し遺産分割しやすくしたり、相続税の納税資金を確保する等の方法があります。
ここで一つ考えてみましょう。不動産の売却はいつでもできるのでしょうか?
答えは「ノー」です。
不動産の所有者が認知症等で意思表示をすることが困難な状態になってしまうと不動産売却といった法律行為を行うことができなくなってしまいます。
認知症等で相続対策を行えなくなるリスクをカバーするためには、年後見制度と信託契約といった制度を利用することが考えられます。
今回は成年後見制度を利用して認知症発症後に不動産売却が可能かどうか見てみましょう。
成年後見制度は基本的に被後見人の財産保護を義務とされています。
そして成年後見制度の中で不動産を売却する際には家庭裁判所の許可が必要となってきます。
家庭裁判所が許可を出すかどうかの判断基準は大まかに以下に記します。
・処分(売却)の必要性
・本人の住環境変化に伴う心身に与える影響
・処分(売却)価格等の経済的合理性等
許可が出る可能性は低いと聞いていますが、本人が施設に入所していて相当期間経過している場合等は許可の方向に向きやすいようです。
また成年後見制度の中で金融商品を購入する等の行為はどうでしょうか。
成年後見人は、財産狩野ための裁量権を広く有していますが、財産増殖の義務はありません。よってリスクを取ることは相当と考えられていないため、運用で損失が出た場合に善管注意義務違反を問われる可能性があります。成年後見制度での金融資産運用は避けるべきでしょう。