子供のいない場合の相続
2018.07.23
相続が起きた場合に、遺言による遺贈などが無ければ、法定相続人が相続することになります。
法定相続人には相続順位が定められていて、その定められた優先順位通りに相続することになります。
どんな場合でも配偶者は必ず相続人となり、配偶者以下の相続優先順位が民法で定められています。
配偶者がいる場合の相続順位と法定相続分は、以下の通りです。
第一順位 配偶者と直径卑属(子・孫)[配偶者1/2、直系卑属1/2]
第二順位 配偶者と直系尊属(父母・祖父母)[配偶者2/3、直系尊属1/3]
第三順位 配偶者と兄弟姉妹[配偶者3/4、兄弟姉妹1/4]
となります。
今回の表題としました「子供のいない場合の相続」の相続順位を見ますと、まず第二順位の配偶者と直系尊属の相続パターンが考えられます。つまり配偶者と父母。父母がいなければ祖父母が相続人の相続です。しかし父母や祖父母より先に死んでしまう可能性はゼロではないですが、非常に低い可能性かと思います。では父母・祖父母が他界していますと、次は第三順位の配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。
相続では遺言が無かった場合に相続人同士が遺産分割協議をして遺産の分け方を決めることになります。つまり第三順位の相続となりますと、配偶者と被相続人の父母や兄弟姉妹が遺産を誰がいくら貰うかという遺産分割協議をして分け方を決めなければなりません。
ちょっと考えてみてください。兄弟姉妹とは、配偶者の兄弟姉妹ではなく、被相続人の兄弟姉妹です。残された配偶者は被相続人の兄弟姉妹と遺産の分け方を話し合わなけれなならないのです。この人間関係でお金をいくら貰うという話をするのは心身の負担が大きくなる可能性が高まりそうです。
皆様が大往生をした後、ご自身がいない状況で配偶者の方と、ご自身の兄弟姉妹が遺産をどう分けるかを相談する姿を思い浮かべてみてください。私だったらゾッとしてしまいます。
この場合どうしたらいいのでしょうか?
実は兄弟姉妹には遺留分がありません。
遺留分とは、相続人が欲しいと主張すれば必ず貰える相続の権利ですが詳しくはこちらをご覧ください→ 「遺留分について」
兄弟姉妹に遺留分が無いということは、被相続人が全ての財産を配偶者に相続させる旨の遺言を作成しておけば、遺産分割協議をせずに、遺産のすべてを配偶者に相続させることができます。遺言についてはこちらをご覧ください→ 「遺言の書き方」
配偶者・子・親には遺留分がありますので、上記のような遺言は効き目がありませんのでご注意ください。
相続対策は個々のケースで立てる対策は、違ってくるものです。
法務・税務などがどうなっているのかをよく考えて対策を立てることが大切です。
我々エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社は、そのお手伝いをしてまいります。
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