相続法(民法)改正 続々施行
2019.07.14
Nマガジン記事「民法の相続分野の規定見直し~改正民法成立~」 https://n-concord.com/magazine/post-185/に記載させていただいた通り平成30年7月に相続法が改正されました。
その法律が今年の7月になりほとんどが施行されています。
施行されている内容は以下の通りです。
2019年1月~
・「自筆証書遺言の規定の見直し」の一つとして、自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで 可能になりました。
*本文、日付、署名についてはこれまで通り自筆で記載。
*パソコンで作成した財産目録や通帳のコピーには、各項に自筆の署名と押印が必要。
2019年7月~
・「遺産分割前の預貯金の払い戻し制度」
原則死亡により凍結された銀行口座は、相続人全員の署名、実印、印鑑証明書がなければ口座からお金をおろすことができませんが、以下の条件であれば一人の相続人単独でおろせるようになりました。
〇法定相続分の1/3まで
〇金融機関ごとの上限金額は150万円
・被相続人の介護や看病に貢献した親族は金銭請求が可能になりました。
子の配偶者などの相続人ではない親族が、被相続人の介護や看病の貢献をしたり、被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした場合には、相続人に対して金銭の要求ができるようになりました。
・「遺留分制度の見直し」
これまでは遺留分を不動産の持分や自社株の持分など金銭以外の方法で支払うことが出来ましたが、全て金銭にて支払いをすることになりました。
・婚姻期間20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を贈与または遺贈した時は、その評価を遺産分割の対象から控除。(特別受益または持ち戻しの不適用)
・これまでは遺言書があれば、登記をしなくても第3者に権利を主張できましたが、登記をしなければ第3者に対抗できなくなりました。
*法定相続分を超える持分についてのみ適用
・遺産分割前に遺産人属する財産が処分された場合、その勝手な処分について遺産分割の対象とすることができるようになりました。
以下は今後の施行となります。
2020年4月
・「配偶者居住権の新設」
〇配偶者居住権は遺言もしくは遺産分割で取得します。
〇遺産分割が不成立の場合、永続的な居住権は認められません。
〇遺産分割が不成立の場合でも、6か月の間は無条件に配偶者居住権が認められます。
(配偶者短期居住権)
以上のように今年の7月で改正相続法のほとんどが施行され、残るは配偶者居住権となりました。
相続対策を考える際には、色々な角度から考えて、自分に必要な事項は何かをしっかりと見極めていく必要があります。そしてどんな法律を利用していくのかということも。
エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社はそのお考えのお手伝いをしてまいります。