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医療保険について(相続とあまり関係なさそうですが・・)

2020.02.11

弊社は生命保険・損害保険のコンサルティングも行っておりますので、入院・手術や通院等の保障である医療保険についてご相談を受けることも多々ございます。

そこで今回は医療保険についてお話をしてまいります。

 

相続対策の手段として医療保険を使うことはあまりございませんが、相続が生じた際に医療保険が関わってくることも時々あります。

例えば、

ケース1

契約者=子

保険料負担者=父

被保険者=子

の医療保険に加入していた場合を見てみましょう。

これは父親が子供のために保険に入ってあげるということで、よく見かける保険契約です。

つまり「子供の医療保険の保険料をお父さんが払ってあげる」ということです。

では保険料を払っているお父さんが亡くなってしまった場合はどうなるのでしょうか?

この場合、契約者・被保険者である子供は健在ですので保険契約自体は残ることになります。よって保険契約の権利を得被保険者が相続することになります。そして、相続財産としての価値は相続時点の解約返戻金相当額となります。今販売されている医療保険の多くが無解約返戻金型で解約返戻金がゼロの商品が多くその場合は相続財産としての価値もゼロですが、解約返戻金が貯まっているタイプの医療保険は注意が必要です。

次に

ケース2

契約者・保険料負担者=父親

被保険者=子

の場合はどうでしょうか?

こちらも「子供の医療保険の保険料を父親が払ってあげる」という点では、ケース1と全く同様であり、父親が亡くなった場合は保険契約の権利を相続することになり、この点もケース1と同様です。

ケース1と異なる点は、相続する際に契約者を父親から子へ変更する必要が生じることです。

それともう一つ、ケース2の場合は遺産分割協議の対象となるということです。解約返戻金がゼロの場合には問題を生じにくいですが、解約返戻金が貯まっている商品は注意が必要です。被保険者以外の相続人が「解約して現金化して分割しろ」と言ってくる可能性も否定できません。

保険の契約形態はよく考えて決めていく必要があります。

 

今度は相続を放棄する際の事を考えてみましょう。

相続の放棄は負債等を引き継ぎたくない場合や、相続人間の退陣トラブル等に巻き込まれたくない際に有効な手段となります。この方法は相続発生の前に行うことは出来ず、相続発生を知ってから3か月以内に行わなければなりません。

そして放棄をする相続人は、相続人の遺産を一切受け取ってはいけません。1円でも遺産を受取った場合には放棄は出来ないこととなります。

ここで気を付けなければならないのは、被相続人が自分自身を被保険者として加入していた医療保険です。被相続人が病気やケガの治療・入院等をして最期を迎えられた場合、亡くなられた後に医療保険の給付金をご遺族が請求して受け取られるケースが多くあります。

給付金は被相続人が入院等を原因として生前に受け取る性格のお金ですので、相続財産となります。

そしてこの給付金を、相続放棄予定の相続人が受け取ってしまうと相続財産を受け取ったことになります。

その結果、放棄は絶対にできなくなってしまうのです。これは意外な盲点といえるかもしれません。

相続放棄をする予定の方は特に気を付けましょう。

以上のように単に医療保険とえども、相続に際に深くかかわってくることがあることをご理解いただけたこと思います。

 

今回は、医療保険と相続の関りについて記載してまいりましたが、

次回は医療保険の商品内容等について記載してまいります。(本当に相続と関係ないお話となります)

引き続きよろしくお願いいたします。

 

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