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相続財産をどうやって分けるの?②~法定相続分編~

2020.03.09

前回掲載しました「相続財産をどうやって分けるの?①~相続順位編~」では、法定相続人の範囲と法定相続分についてまとめてみました。

今回は、遺産の分け方について記載してまいります。

 

遺産分割は基本的に法定相続人間で行われますが、遺言で指定がある場合には法定相続人以外も遺産を受け継ぐことができます。

法的に効力のある遺言がある場合には遺言通りに遺産分けをすることになります。ただし遺留分には留意する必要があります。この遺留分については後ほど説明します。

 

法的に効力のある遺言が無い場合には、法定相続人同士で話し合って遺産の分け方を決めます。

この話し合いを遺産分割協議と呼びます。相続開始から10ケ月以内に完了させて相続税を納税する必要があります。

10ケ月以内に完了させないと、色々とお得な特例が使えなくなってしまいますので気を付けましょう。

 

遺言も無く、法定相続人間で分割協議がまとまらなかった場合は、遺産分割調停・遺産分割審判へと進んでいくことになります。

調停・審判まで進むということは、協議がまとまらずに揉めてしまうということであり好ましいことではありません。

こうなってしまうと、その後法定相続人同士が顔を見るのも嫌になってしまうかもしれません。

そうならないように、被相続人が亡くなる前にしっかりと遺産の分け方を決めておいてあげる事が肝要です。

そして法的に効力のある遺言を残してあげることは大変効果があります。ただし冒頭に述べました遺留分に配慮する必要があります。

 

遺留分とは、相続人に法律上保障された一定の割合の相続財産のことをいいます。

この権利を持っているのは、前回の「どうやって相続財産を分けるの?①~相続順位編~」に掲載しました相続順位の第1順位と第2順位と配偶者です。

遺留分の割合は、以下の通りです。

相続人       遺留分の割合

配偶者と子     法定相続分の2分の1

配偶者と第2順位  配偶者は法定相続分の3分の2、第2順位の方は法定相続分の3分の1

となります。つまり兄弟姉妹には遺留分がありません。

 

また遺留分は遺言に勝ります。

例えば親が遺言で一人の相続人に全ての財産を与えるという内容のものを作成したとしても、他の相続人が遺留分を主張した場合はその主張が遺言に勝ります。

遺留分を主張することを遺留分減殺請求といいます。

遺留分減殺請求するという行為を行った時には、当事者同士がお互いに良くない感情を抱くことが多いです。

こうならないように遺言作成する場合には遺留分に十分配慮する必要があります。

 

では面倒くさいから遺言なんて作らない方がいいんじゃないかと思われる方もいるでしょう。

そうでしょうか?

私は、遺言は効果絶大で必要なものと考えます。

なぜならば、遺言が無い場合の相続は前述しましたように法定相続人同士で遺産分割協議をすることになります。

この協議をするときの状況を想像してみて下さい。

財産を持っていた親が亡くなり、その親がいない状況で協議をするのです。

2次相続の場合は両親がいなくなっているので、子供だけで協議をする状況です。

子供達にも色々な思惑があり、様々な感情があります。財産の分け方を子供達だけで決めるのは酷な状況かもしれません。

遺言は親が子供たちに残してあげられる最後のメッセージとなります。

遺留分に配慮した分割方法を記してあげ、付帯事項として子供達への想いも記してあげることができます。

遺産に不動産が含まれていると平等に分けることが難しくなりますが、親の想いが伝われば皆が納得する可能性も高くなるはずです。

法的に効力があり遺留分にも配慮した遺言は相続対策の重要なツールと考えられます。

 

次回も遺産の分割について述べてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

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