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Nマガジン

遺産相続の手続きの流れ

2020.05.03

人が亡くなりますと、その後に様々な手続きが必要となります。

それぞれの手続きには期限が設けられていて、期限を超えてしまうと罰則があったり、お得な遺産相続制度を使えなくなってしまいます。

大切な方が亡くなった悲しみに暮れる間もなく、手続きの時間に追われていくことになります。

ここでは、時系列順に遺産相続の手続きの流れをまとめていきます。

 

相続発生の後に、葬儀を行います。

葬儀は、いつまでに行わなければならないという規定はありません。通常は、亡くなった翌日にお通夜、お葬式は翌々日ということが多いですが、友引を避けたり、親族の都合や葬儀場の都合などによりずれることもあります。なお、火葬・埋葬をするには、下記の死亡診断書を受取り、死亡届を提出して、火葬許可証をもらう必要があります。

葬儀費用は相続財産から控除することができますので、領収書を保管しておきましょう。

 

「死亡から7日以内」

・死亡診断書の受取

病院に発行してもらいます。死亡診断書がないと火葬・埋葬ができません。また死亡診断書はその後の手続きに必要となる場合がありますのでコピーを取っておいた方がいいでしょう。生命保険金の請求にも必要となります。死亡理由が不明な場合は死体検案書が作成され、この死体検案書が死亡を証明する書類となります。

・死亡届の提出

死亡届は死亡証明書と一体になっていて、用紙の右側が死亡証明書、左側が死亡届となっています。この死亡届に必要事項を記入して火葬許可申請書を合わせて市区町村役場に提出します。そして火葬許可証を受取り、これを葬儀社へ提出すると火葬の申し込みをすることができます。

 

「死亡から10日以内」

・年金受給停止の手続き

亡くなった方が年金受給者であれば、年金の受給停止手続きをする必要があります。住民票の住所管轄地の社会保険事務所で手続きを行いましょう。厚生年金の受給停止手続きは死亡後10日以内に、国民年金の受給停止手続きは14日以内に行わなければなりません。

年金の受給停止手続きには「年金証書」、「死亡診断書または火葬許可書」、「戸籍謄本または除籍謄本」、「故人と年金請求者の住民票写し」が必要となります。

 

「死亡から14日以内」

・健康保険の資格喪失届の提出

故人が国民健康保険加入であった場合、亡くなった日から14日以内に国民健康保険資格喪失届を市区町村役場に提出する必要があります。なお、故人が75歳以上であれば後期高齢者医療資格喪失届を提出します。

故人が会社員で健康保険に加入していた場合、亡くなった日から5日以内に健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を会社経由で年金事務所に提出する必要があります。会社側で手続きをする事が多いので、勤務先の指示に従って動きましょう。

なお、故人の健康保険の扶養に入っていた場合、保険証が使えなくなりますので、国民健康保険に加入するか、他の家族の扶養に入るなどの措置が必要です。

・介護保険の資格喪失届の提出

故人が介護保険の被保険者であれば、介護保険の資格喪失届と介護保険被保険者証を市区町村役場に提出する必要があります。

・世帯主変更届

故人世帯主であった場合、死亡後14日以内に世帯主変更届を市区町村役場に提出する必要があります。一般的には、死亡届を提出する際に一緒に提出します。なお、残された世帯員が一人の場合、または残された世帯員が15歳未満の子供とその親権者である場合は、世帯主変更の手続きは必要ありません。

・生命保険金の受取

故人が生命保険に加入していた場合、契約上保険金受取人になっている方や、遺言で受取人指定された方が契約生命保険会社の連絡をして保険金受取手続きをしましょう。生命保険金の受取手続きは死亡から14日以内である必要はありません。保険会社の約款内容によりますが、一般的には死亡してから3年間は保険金請求手続きをすることができます。(約款の期限を過ぎると時効)しかし、できるだけ早く請求手続きをして保険金を受け取りましょう。

生命保険金は受取人固有の財産ですので、他の相続人の許可等は不要で、単独で請求できます。

・金融機関への連絡

金融機関に口座名義人の死亡を連絡して、口座の入出金を止める必要もあるかもしれません。口座を凍結すると他の相続人が勝手に出金したり、隠したりするかもしれません。

ただし口座が凍結されますと、遺産分割協議が終わるまで出金できない状態となります。(民法改正後は一定の規定の下で出金できるとされています)

故人の口座から出金した相続人は、相続放棄を出来なくなることにもご留意ください。

・公共料金や各種サービスの変更と解約

銀行口座が凍結されると公共料金や各種サービスの自動引落が止まります。支払方法の変更や解約手続きをしましょう。

確認項目例

電気、ガス、水道、携帯電話、固定電話、インターネット回線、WEBサービス、NHK、株式、ゴルフ会員権、運転免許証、パスポート、クレジットカード等キャッシュレス決済

 

「死亡から3カ月以内」 *相続放棄や限定承認の期限は相続があったことを知った日から3カ月です。ご注意を!

・遺言書の確認

故人が公正証書遺言を残していた場合には、公証役場で検索することができます。自筆証書遺言の場合、保管は個人次第です。金庫や大事なものをしまってある場所を探してみましょう。

現在は自筆証書遺言も公証役場で保険できるようになっていますので、これから自筆証書遺言を作成する場合は是非活用しましょう。

遺産相続の手続きは、遺言書があるか無いかで異なります。遺言がある場合は、その内容に従って遺産を分割します。(ただし遺留分に注意)。遺言が無い場合には相続人全員が集まって遺産の分割方法を決めて、遺産分割協議書を作成することになります。

・遺言書の検認

自筆証書遺言があった場合、検認を受けなければ開封することができません。検認は、故人の住所地を管轄している家庭裁判所に申し立てると、家庭裁判所から相続人に検認の期日連絡があります。期日に参加した相続人全員の前で開封と確認が行われ、確認後に検認済証明書が発行されます。

・相続人の調査

遺言のない遺産分割は、相続人全員で遺産の分け方を決める遺産分割協議をしなければいけません。遺産分割協議を行うために誰が相続人なのかを調査する必要があります。誰が相続人かなんてわかってるよ、と思われるかもしれませんが、調べてみると見知らぬ相続人が出てくることもあるのです。

相続人の調査は、故人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本や除籍謄本などを取得して確認していきます。

・相続財産の調査

故人が所有していた財産を全て把握する必要があります。遺産の分割をするには、どんな財産が、どのくらいあるか、が分からないと決めることができません。預金通帳や固定資産税の課税明細書などで確認していきます。

相続財産にはマイナスの財産も含まれます。借入金がなかったかどうかや、連帯保証人になってなかったかどうか等を確認することも重要です。

・遺産分割協議の開始

相続人が確定して財産を把握したら、遺産分割協議の開始です。(遺言がある場合は遺言に従う。ただし遺留分侵害額請求が起こる可能性もある)遺産分割協議は全ての相続人が集まって行う必要があります。一人でもかけていた場合は無効になってしまいますのでご注意ください。ただ必ずしも一か所に集まる必要があるのではなく、メール、電話、手紙などで協議を進めてもかまいません。

・相続放棄・限定承認の期限です

遺産に借入金が多額にあるような場合は、相続放棄や限定承認という方法も選択肢となります。相続放棄をした場合は何ももらえなくなりますが、借入金返済の債務もおわなくてすむようになります。相続放棄や限定承認については弊社Nマガジンの「相続放棄しても損しないの?」に記載してますのでご参照ください。

相続放棄や限定承認は、「相続があったことを知った日から3カ月」以内に家庭裁判所で手続きしなければいけません。何もせずに3か月の期間が過ぎると単純承認したことになり、マイナスの遺産も抱えることになりますのでご注意ください!

 

「死亡から4カ月以内」

・所得税の準確定申告

故人が事業行っていたり、給与所得が2,000万円以上ある場合に所得税の準確定申告をする必要があります。故人の代わりに相続人が行う必要があります。期限を過ぎてしまいますと延滞税などがかかる恐れがありますのでご注意ください。

 

「死亡から10か月以内」

・遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は、相続人達がそれぞれどの遺産を取得するのかを明記して、相続人全員が署名押印をする必要があります。一人でも欠けていた場合は無効となります。

・各種の相続手続き

遺言内容や遺産分割協議書の内容にしたがって、自分が取得した遺産の相続手続きを行います。不動産の相続移転登記は今のところ義務ではないですが、未登記のままですと将来の相続等が複雑になってきますので、早めに登記することをお勧めします。

・相続税申告と納付手続き

相続税課税には基礎控除があります。基礎控除以内の遺産相続であれば申告の必要はありませんが、基礎控除を超える場合は、相続税申告と納税をする必要があります。この期限は「相続があったことを知った日から10カ月」以内です。期限内に行わなかった場合には延滞税などの罰則がありますのでご注意ください。

 

「死亡から1年以内」

・遺留分侵害額請求

一定の範囲の相続人には遺産の最低限の取り分が認められています。これを「遺留分」といいます。遺言により取得した遺産が「遺留分」の金額に満たない場合、満たない金額分の「遺留分侵害額請求」をすることができます。

「遺留分侵害額請求」を出来る期限は「被相続人の死亡と遺留分侵害の事実を知ってから1年」以内です。

 

「死亡から3年以内」

・税務調査への対応

税務調査が入るのは申告数の2割くらいと言われています。税務調査が入った場合に追徴課税されるのが調査に入った件数の8割くらいと言われています。

 

「死亡から3年10ケ月いない」

・相続税軽減の手続き

相続税には様々な軽減措置がありますが、遺産分割協議が長引き相続発生から10か月以内に分割できなかった場合は、諸々の軽減措置を利用できません。しかし、その後に分割協議が成立した場合、申告期限から3年以内であれば、軽減措置を受けることができます。(申告期限後3年以内の分割見込書を提出しておく必要あり)つまり、死亡してから3年10ケ月が期限となります。

 

「死亡から5年10ケ月以内」

・相続税の還付請求手続き

相続税を払いすぎていることが分かった場合、相続税還付の申告をして払いすぎていた分を返金してもらうことが可能です。この相続税還付の期限が、死亡してから5年10か月以内です。

 

以上、遺産相続手続きの流れを記述してまいりました。

それぞれの手続き期限を過ぎてしまうと、何一つ良いことが無いとお分かりになるでしょう。

遺産相続の手続き期限を超えないスムーズな手続きをしていくためには、遺産分割がスムーズにいくかどうかがキーポイントになってくることが多いでしょう。

被相続人がご健在のうちに、スムーズな手続きが行えるように対策をしておくことがベストです。

エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社はその対策立案・実施のお手伝いをしてまいります。

 

 

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