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小規模宅地等の特例~相続対策で使えるなら使わない手はありません~

2020.05.17

子供達の休校が続き、部活動もありません。

やりたくても運動が出来ていない子供達のストレスはいかほどのものでしょうか。

国のリーダーの記者会見でも、子供たちのことについてはあまり触れられていませんでしたので、気になりました。

しかしながら、昨日の朝刊には、今年度を17カ月として来年9月から新学期を検討と出ていました。私個人的には良いのではないかと思います。実行に向かって動いていただければ幸いに存じます。

上記写真のように、早く子供たちが活発にスポーツができるようにな状態になってくれることを願います。

もちろん勉強もです。

 

さて、今回は「小規模宅地等の特例」についてお話しします。

この特例を使える、使えないで相続税額に大きな差が出てきますので、相続対策において非常に重要なポイントとなります。

 

では「小規模宅地等の特例」とはどんな制度なのか見ていきましょう。

 

 

「小規模宅地等の特例」制度について

 

高度成長期やバブル経済の時代には、土地の値段が値上がりしていくことが当たり前でした。そして土地の値上がりに伴い、相続税の負担も大きくなり、相続税を支払うために相続財産を売却するという事態が頻繁に起こりました。

そこで、被相続人が住んでいた住居に相続人が居住継続しやすいように、そして被相続人が営んでいた事業を継続しやすいようにという目的で創設されたのが「小規模宅地等の特例」なのです。

 

相続税計算において、この「小規模宅地等の特例」を使うことができますと、故人が住んでいた土地、事業をしていた土地、貸していた土地について一定の面積までは最大で80%減額できます。80%オフということですの、一定の面積であれば1億円の土地でも2000万円で評価できるのです。使えるのならば、使わない手はない制度です。

ただし、この制度を使うためには一定の要件を満たすことが必要です。

では、一定の要件とは何でしょうか?

 

 

「小規模宅地等の特例」が適用になるための一定要件

 

「小規模宅例等の特例」制度を見るうえで、大きく2つに分けてみる必要があります。

①被相続人等の居住の用に供されていた宅地等

②被相続人等の事業の用に供されていた宅地等

つまり、住むための土地か事業用の土地かという区別になります。

それぞれに細かい規定が設けられていますので、一つずつ見ていきましょう。

 

 

①被相続人等の居住の用に供されていた宅地等

「特定居住用宅地等」に該当する宅地等は、限度面積330㎡まで80%減額できます。

該当すれば、100坪で1億円の土地でも、2000万円で評価できるわけです。

では「特定居住用宅地等」とは、どんな宅地なのでしょうか?

 

 

特定居住用宅地等の要件

 

1)被相続人の居住の用に供されていた宅地等

 ア・取得者が、配偶者

  要件なしで「小規模宅地等の特例」が適用となります。

 イ・取得者が、被相続人の居住の用に供されていた1棟の建物に居住していた親族

  相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつ、その宅地等を相続開始時から申告期限まで有していることが適用条件。

 ウ・取得者が、上記ア、イ以外の親族

  次の(1)~(6)の要件をすべて満たすことが必要です。

  (1)居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと

  (2)被相続人に配偶者がいないこと

  (3)相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人がいないこと

     (居住していた相続人が相続放棄しても、居住していた相続人がいたことに変わりありません)

  (4)相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます)に居住したことがないこと

  (5)相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと

  (6)その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること

 

2)被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等

 ア・取得者が、配偶者  

  要件なしで「小規模宅地の特例」が適用となります。

 イ・被相続人と生計を一にしていた親族

  相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

 

以上が居住用に対しての要件になりますが、結構複雑ですので、適用できるかについて制度をじっくりと見る必要があります。

制度を見ていますと、配偶者は無条件でこの制度を使えますが、他の相続人は色々と条件をクリアする必要があります。

配偶者がいる状態で、子に自宅を相続させる場合には使えません。つまり1次相続ではこの制度が使えないことになりますので、「配偶者居住権」等を使った相続方法も検討する価値があるでしょう。

配偶者がいない相続でも、取得する相続人が持ち家に住んでいても使えません。この場合の所有は現在過去を問いませんので注意が必要です。

また、三親等以内の親族や特別の関係がある法人等が所有する家屋に住んでいても、この制度を使えません。(相続開始前3年以内の居住)

その他、相続開始の直前には養護老人ホーム等の老人施設に居住していた場合に、この制度を適用できるかどうか等を入居施設によって細かく規定されています。終の棲家をどうするかを考える際には「小規模宅地等の特例」を使えるかどうかを判断材料の一つにすることも重要です。

 

 

②被相続人等の事業の用に供されていた宅地等

被相続人等の事業の用に供されていた宅地等は、一定の要件のもとに一定の面積までは最大で80%減額される制度です。

事業の用に供されていた宅地等は、(1)貸付事業以外の事業用の宅地等と(2)貸付事業用の宅地等の2つに分かれています。

 

(1)貸付事業以外の事業用の宅地等

  「特定事業用宅地等」に該当しますと、限度面積400㎡までは80%減額できます。

 「特定事業用宅地等」の要件

 ア:被相続人の事業の用に供されていた宅地等

  ・その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限まで営んでいること

  ・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

 イ:被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等

  ・相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること

  ・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

 

(2)貸付事業用の宅地等

  ア:一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等

    ・「特定同族会社事業用宅地等」に該当する宅地等 →限度面積400㎡まで80%減額できます。

    ・「貸付事業用宅地等」に該当する宅地等 →限度面積200㎡まで50%減額できます。

  イ:一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等

    ・「貸付事業用宅地等」に該当する宅地等 →限度面積200㎡まで50%減額できます。

 

  ウ:被相続人等の貸付事業用の宅地等

    ・「貸付事業用宅地等」に該当する宅地等 →限度面積200㎡まで50%減額できます。

 

以上の要件を見ますと、同族会社かどうか、土地を貸しているだけの事業かどうかがキーポイントとなります。

では、「特定同族会社事業用宅地等」と「貸付事業用宅地等」の要件を見てみましょう。

「特定同族会社事業用宅地」の要件

 相続開始の直前において、被相続人及び被相続人の親族等が、法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している法人で以下の要件に全て該当すること。

 ・相続税の申告期限においてその法人の役員であること

 ・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

「貸付事業用宅地等」の要件

 相続開始の直前において、被相続人等の不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業に限る事業の用に供されていた宅地等で以下の1)2)の区分に応じた要件に全て手該当すること。

 1)被相続人の貸付業の用に供されていた宅地等

  ・その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かち、その申告期限までその貸付事業を行っていること 

  ・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

 2)被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等

  ・相続開始前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること

  ・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

 

なお「小規模宅地等の特例」の改正により、2019年4月1日以降に発生した相続については、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地については、当特例制度から除外されることになりました。ただし、相続開始前3年以内に事業用に供された宅地等でも、当該宅地上の償却資産の価額が、相続時の当該宅地価額の15%以上であれば特例の適用となります。

つまり、相続開始間近に安価な設備資産の事業を開始しても「小規模宅地等の特例」を使えないようにしたわけです。

これは、トランクルーム事業等が相続税節税法として横行していたものを止めるためだろうと言われています。

活用されていない土地をそのままにしておくより、事業用地にした方が相続税対策として有効です。ただ、事業をしろと急に言われても、何をしたらいいのか、やるにしても莫大な設備投資がかかる等の問題があり、高いハードルとなってきます。

そこで、相続が間近になってきた時期に、空き地にちょっとしたコンテナをおいて、比較的気軽に安価に始められるトランク事業が増加したのです。トランク事業を止めたいときは、置いたコンテナを撤去すればいいだけなので、比較的容易に撤退もできます。

そして相続税の課税評価額も大幅に下げることができたのです。

しかし「小規模宅地等の特例」改正により、この方法は完全に無くなったわけではないですが、取りづらくなったのです。

 

以上見てきましたように「小規模宅地等の特例」はぜひ活用していきたい制度の筆頭です。例えば、自宅を相続する予定の子がマンション購入希望があったとしても、思いとどまってもらう等のことも必要かもしれません。色々な工夫で特例適用を目指すことができると思います。

エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社は、その工夫のお手伝いをします。

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