NCC エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社

お問合せは(平日:10:00~18:00)TEL 03-5050-2254 フォームによるお問合せはコチラ

Nマガジン

円満な相続・事業承継のために

2022.02.03

 

弊社のミッションは、相続・事業承継コンサルタント業務を提供し顧客世代間の「笑顔をつなげる」ことです。

相続や事業承継とは財産を次世代へ移行することですが、この財産には次世代の笑顔も含まれると弊社は考えます。

 

「笑顔をつなげる」ために


移行する財産に自社株式、不動産などの「価値は大きくなりがちだけど分けにくい」財産が含まれていますと承継者全員が100%納得するというのは至難の業かもしれません。しかし,事前に承継者たちのある程度の納得を得ることは可能だと考えます。そして、この納得を多く得ることによって多くの笑顔をつなげることが可能だと思います。(不動産の価値評価については詳しく知りたい方はこちらをご参照ください→「遺産の不動産価値はどうやって決めるの?」

 

相続人・承継者の納得を増やすこと


例えば、相続税がそれなりに掛かる方の相続ですと、どんなに相続税対策をしても相続税をゼロにすることは困難です。このようなケースで相続人達が、相続税がどのくらい掛かるかも知らず納税資金(預貯金のような換金性の高い財産)も準備されていなかったら不満のカタマリになることでしょう。しかし事前に、おおよその相続税額と納税資金の準備をしている旨を知らされたとしたら納得することが多いはずです。

また、子供が複数人いて一人は私大医学部で多額の学費がかかり、他の子は公立大学で比較的少ない学費で済むといったようなケースがあります。このような場合に親の頭の中だけで考えて何の説明もなく、ただ遺言書に医学部に進学させた子だけの遺産分配率を低くした数字だけを記載し作成した場合も納得を得ることが難しいかもしれません。しかし、医学部進学の子への遺産分配率が低い理由を理論的に伝えることが出来れば納得する可能性は高まるはずです。さらに親から子供への気持ちも一言添えてあげたならば納得度合いもさらに高まることでしょう。

少しレアケースとなりますが、財産権を放棄して節税対策とすることもあります。

典型的な例が医療法人の出資持分放棄です。医療法人の出資持分は株式会社の株式のようなものです。しかし株式会社で認められている配当が認められていないなどの制限がありますが、一定の条件下の医療法人出資持分は相続財産としての価値を有しています。ゆえにこの出資持分を相続すると多額の相続税が発生するため医業承継が困難になる可能性が高まっています。そこで厚生労働省は出資持分を放棄して医業承継しやすくする方策を作成し推奨しています。ここでは説明しませんが詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。→「厚生労働省 持分の定めのない医療法人への移行認定制度の概要」

そのため出資持分を放棄しやすくなりましたので、比較的簡単に放棄することが出来ます。しかし相続財産価値のある出資持分は財産です。しかも価値が何億円にもなっているケースはざらにあります。その財産を放棄することになりますので相続人達には事前に同意を得ておく必要性があると思います。同族経営の小規模医療法人ならば相続人の同意を元々得ている状態が多いかもしれませんが、同族経営でない医療法人の出資持分放棄は注意が必要かもしれません。相続発生後に相続人達が「父は医療法人に騙されて財産を放棄させられていた」なんて主張しだしたら面倒なことになります。こんな事にならないように相続人達の事前同意があることがベストであると思います。

 

まとめ


相続でクローズアップされがちなのは相続税です。しかし税金は存在する価値以上に課税されることはなく税金のことで相続人間が揉めることは稀です。(換金性の少ない不動産等に対しても納税は現金でしなければならない問題はありますが)

遺産の分割で揉める原因の第一は、相続人の誰かが遺産分配率に不公平感を感じて主張することです。切って分けることのできない不動産の相続を平等に分割することは難しいですし、親が生前に全ての子供に対して全てを平等に接したり援助したりすることもなかなか難しいと思います。この問題を完全にクリアすることはできなくとも、相続人達が納得してくれる理由と、子に対する親の気持ちを伝えてあげることができれば多くの笑顔をつなげていけると弊社は信じます。しかも事前にです。相続が起きた後は既に当人がおらず伝えることが出来ませんので。

記事一覧はコチラ