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贈与したお金の活用方法

2022.06.26

近い将来に相続税と贈与税が一体化する税制改正が行われるかもしれません。

現在は暦年贈与で年間110万円の贈与額まで贈与税が非課税ですが、上記改正が行われるますと年間110万円の非課税枠が無くなるといわれています。

しかし改正するまでは110万円の贈与税非課税枠が変わらずありますので、今のうちに非課税枠を使って贈与しておこうという声が聞こえてきます。

実際に相続対策として贈与が有効となる方は早めに暦年贈与を実施したほうがいいでしょう。贈与の詳細はこちらをご覧ください→ (贈与はどうやってすればいいの?)

暦年贈与を実施される場合は、後になって贈与を否認されないように贈与契約がしっかりと成された事実を残しておくことが必須となります。

贈与したつもりが贈与したことを否認される一番の理由は、贈与契約が成立していないということです。

贈与契約は、法的には口頭の約束で成立します。なので後から文句を言われる筋合いは無さそうですが、口頭だけで贈与した場合には贈与契約を証明するモノが何もないことが問題となります。ましてや贈与された側が贈与されていることを知らなかったら完全に贈与契約は無かったこととされてしまいます。

贈与行為を否認されますと、贈与したつもりの財産は相続財産として相続税課税対象の財産となります。

また、次の点も贈与で気を付けなければなりません。

それは毎年贈与していたことを定期贈与と判断されることです。

例えば、毎年100万円贈与して10年間続けた行為を1000万円の贈与を10回に分割して支払っただけとみなすことです。この方法で否認された場合は、非課税枠内で贈与したつもりが贈与税課税対象になります。しかも上記の場合ですと1000万円に対しての贈与税になりますのでダメージも大きくなりますから注意が必要です。贈与税率についてはこちらをご参照下さい。→ 「国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

定期贈与とみなされないためには、一定期間、一定の給付を目的に贈与したとみなされないようにしなければなりません。毎年同じ時期に同じ金額を贈与しないようにしましょう。

さて本題の贈与資金活用についてですが、今回は生命保険の活用についてご紹介します。

①子・孫にお金を贈与して親が被保険者の生命保険に加入する

この生命保険加入は、契約者が子・孫となり保険料も贈与されたお金から支払います。そして保険金受取人は契約者本人(子・孫)とします。そうしますと受け取った保険金は一時所得となります。

一時所得の計算方法は、

(受取保険金額ー支払保険料-50万円)×1/2

で算出した金額を所得に加算します。

ちなみに親が契約者・被保険者のスタンダードな生命保険契約は相続税課税です。相続税よりも一時所得にした方が税額が減る場合には大変有効な生命保険加入方法です。

②贈与されたお金で一時払生命保険に加入する

今はそれなりに運用実績のある一時払生命保険があります。

一時払生命保険は無告知の商品もありますので健康状態が良くない人でも選択肢となります。そしてお金が増える楽しみを味わうこともできます。(商品によります)

また一時払いですので1年だけ贈与したいという場合にも選択肢となります。ちなみに①の商品の多くは数年間保険料を支払う必要があるために複数年贈与をし続ける必要があります。

そして①②共通のメリットとして贈与されたお金で受贈者自ら生命保険を購入するという行為により贈与契約成立とみなされやすくなるという点があります。また贈与したお金を銀行口座に入れたままですと子・孫が無駄使いしてしまう可能性もありますが、生命保険に換えておくと無駄使いしずらくなります。

贈与されたお金を生命保険にすることも是非ご検討ください!

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