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Nマガジン

相続対策は人の数だけ方法があるのかもしれません

2022.08.19

 

遺産をどう分けるか。

十人十色でそれぞれの人の想いや考え方があると思います。

例えば、

・兄弟平等に財産を分けてあげたい。

・素行の悪い子供には財産を与えたくない。

・介護をしてくれた息子の嫁に財産をあげたい。

・事業を継ぐ長男にできるだけ多くの財産を残してあげたい。

・遺産は全部妻にあげたい。 

etc

他にも色々と想像することができると思います。

私も相続対策に関わる仕事を長年させていただいてますので、色々なご意見やご要望をお聞きしてきました。その中で、こんな想いもあるのだなと勉強させられた事例をご紹介します。

それは80代男性の会社の会長Aさんからのご相談です。

Aさんには、奥様と息子・娘が一人ずついらっしゃいます。

息子さんは結婚していますが、子供はおらず、年齢的にこれから子供が誕生してくる可能性はありません。娘さんは未婚で、もちろんお子様はいません。

Aさんの財産は自社株式も含めて沢山あります。そしてご自身のお子様はいらっしゃいますので財産を引き継ぐ相続人はいるのですが、その次に財産を引き継いでくれる孫がいないことを大変気にしていらっしゃいました。

よってAさんは、ご自身のお子様たちに過大に財産を引き継がせる必要はないと考え、「現金の8割は自分の会社に相続させるつもり」というご要望をお持ちでした。

私は今まで、会社にある現金をいかに課税少なく個人へ持ってくるかという相談を受けることはあっても、今回のように個人所有の現金を会社にあげたいという逆のパターンは初めて耳にするご要望でした。

最終的には税理士さんに確認してから動かないといけませんが、個人が遺産を受け取ると相続税が課税されますが、法人が遺贈を受けた場合はみなし受贈益として法人税の課税になるのだと思います。

法人が遺贈されるのは全て現金ですので納税も楽にクリアできますし、かなりの資金を確保できることになります。

しかし現金の8割が会社へ相続されると遺留分の問題が残ると思われます。

ちなみに遺留分対策として代償分割交付金を作るため生命保険を検討してみましたが、Aさんの病歴により普通の死亡保障に加入することができない状況でした。(代償分割交付金についてはこちらをご参照ください→ 「遺産を仲良く分けましょう~生命保険を使った代償分割~」

健康状態の告知なしで加入できる一時払保険がありますが、会社は遺贈されないと支払う一時払保険料がありません。個人で一時払保険料を支払い死亡保険金受取人を会社にできないか調べてみましたが、生命保険会社が取扱わないとのことで不可能でした。

今回の件は対策が完結している状態ではありませんが、人にはいろいろな感情があり、色々なご要望があるものだと深く感じ入りましたので、ここに記してみました。

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