医療保険についてー商品編ー(今回は本当に相続と関係ありません)
2020.02.16
前回の「医療保険について(あまり相続と関係なさそうですが)」では、医療保険と相続の関連性について述べてまいりました。
今回は「医療保険」の商品はどのようなものがあるかを述べていきます。ですので、今回は相続の話しは出てきませんのでご容赦ください。
「医療保険」を大きく分類してみると、
①入院や通院の日数に応じて給付されるもの
②手術をした際に給付されるもの
③約款所定の状態になった場合に給付されるもの
④かかった治療費と同額が給付されるもの
となりますでしょうか。
①のタイプはよく聞かれるもので、入院したら1日1万円などというものです。
これは契約が入院1日1万円で入院日数が10日であれば10万円給付されるというタイプです。
ただ以前は入院給付タイプの医療保険は、5日以上の入院でないと給付されないものや180日以上入院しないと給付されないもの等が多く販売されていました。
5日以上の入院が必要なタイプに加入していて、3泊の入院をして帰宅した場合は給付金がゼロというわけです。10日入院しても日数カウントは5日目からですので10日ー4日=6日分の給付となります。
医療の現状を見てみますと、1990年は平均入院日数が44.9日であったのが、2017年は29.3日とかなり短くなっています。(厚生労働省「平成29年患者調査」)これは国が長期の入院を抑制するよう指導してきた結果です。
そこで各保険会社も商品開発を進め、今は1泊2日の入院給付金が支払われるものが当たり前になりました。さらに入院期間の短期化時代のニーズに合わせて、1泊2日で10日分や20日分の給付金を支払う商品も登場してきています。
また同一疾病での入院日数限度が各商品にあります。最初の退院後180日以内に再入院した場合に入院に数が合算され、限度日数は30日、60日、120日と色々あります。ほとんどの商品は同じ病気での入院日数を合算としていますが、なかには別の病気でも合算する商品もありますので注意が必要です。
もう一つ入院日数に関して、商品の進化のお話しをします。同一疾病の支払い日数限度はあっても、特定の病気であれば日数無制限で給付される特約が各社から出てきています。この特定の病気は各商品で違っていて、代表的なものには、3大疾病、7大疾病、8大疾病といったものがあります。
3大疾病に肝疾患・腎疾患・大動脈瘤等・高血圧性疾患・膵疾患が加わったものが7大疾病や8大疾病です。
そして3大疾病に関しては注意が必要です。この3大疾病には、「ガン・急性心筋梗塞・脳卒中」という内容のものと「ガン・心疾患・脳血管疾患」という内容のものがあります。ここで詳細は説明しませんが、後者の方が幅広く適用されますので、そちらを選択するのがベターでしょう。
そして現在は、通院給付される特約を付けられる商品も多く発売されています。
②の手術給付タイプのものは、上記①に加入すると自動的に付帯されているものと特約で付けるものがあります。
給付される手術の種類はその商品の約款に規定されている手術となります。商品によって多少異なる部分がありますので確認が必要です。
給付される金額は入院給付金の日額に対して10倍や20倍といったものが多いです。
入院日額1万円の医療保険で手術給付20倍型となれば、1万円×20=20万円の手術給付金が出てくることになります。
また、入院しての手術か外来での手術かで給付金額が異なる場合が多くなっています。入院して手術の場合は20倍、外来での手術は5倍といった具合です。
ここで注意すべきことは、外来での手術は給付の対象ではない商品もあることです。つまり、外来にて大腸内視鏡でポリープを切除した場合は手術給付金は支払われない商品があるということです。加入される場合に是非確認しておきたいポイントです。
③の代表的な商品は、がん診断保険です。
これはガンと診断された場合に契約した金額が給付される保険です。契約した診断給付金額が100万円であればガンと診断されただけで100万円が給付されます。
ここでの注意点は上皮内癌での診断給付金額が異なる商品が多くなっています。100万円の診断給付金で契約しても上皮内癌の場合は半分の50万円の商品や、中には数万円だけしか給付されない商品もあります。
また診断給付金の支払い回数も確認しておきたいポイントです。現在販売されているガン診断給付金商品は再発等で何回でも給付される商品が多いですが、中には1回給付されると契約終了になる商品もあります。(何回でもガン診断給付金が出てくる商品も1年や2年に1回という縛りはあります)
この他に③のカテゴリーの商品は3大疾病になって所定の状態になると給付金が支払われる商品等があります。
④のタイプの商品はガンの治療で実際にかかった費用と同額を支払ってくれる商品や、先進医療を受けた場合に掛かった費用と同額を給付してくれる商品等があります。
先進医療とは厚生労働省が定める治療で、この治療は全額自己負担となります。(健康保険対象の治療は1~3割負担)
例えば、重粒子線治療では350万円(神奈川県立がんセンター)や314万円(大阪重粒子線センター)の費用が必要と各ホームページに掲載されています。
この治療を受けた場合は通常上記金額を全額支払わなければなりませんが、先進医療の保険に加入していると上記金額を全額補填してくれることになります。先進医療保障の保険料は少額ですので加入しておいた方がベターでしょう。ただし他の商品に特約で付加する商品が多くなっています。
以上医療保険についてまとめてみましたが、他にも色々と細かい規定がそれぞれにあります。
どんなニーズがあり、どんな商品があるかなどは専門家のアドバイスがないと中々チョイスが難しいのではないでしょうか。
エヌ・コンコード・コンサルティング株式会社はその選択のお手伝いをしてまいります。